高齢者の食事に欠かせない管理栄養士

管理栄養士は、専門的な知識と技術を活かし、栄養指導や栄養管理を行う仕事です。医療現場や学校給食、スポーツ選手のサポートなど、幅広い分野でその知識と技術を発揮しています。そして特別養護老人ホームやデイサービスなどの介護施設も管理栄養士が活躍する現場の一つです。

管理栄養士の仕事は、サービスを利用する高齢者に対する食事の提供などです。勤務先にもよりますが、献立を考えるところから、食材の発注、調理まで担当します。

高齢者は高血圧の方や糖尿病の方なども多く、病気の有無やその症状に合わせて献立を考える必要があります。もし知識がなく配慮をせずに食事を提供すると、病気を悪化させてしまうほか、最悪の場合は命に関わることにもなりかねません。そのため献立は管理栄養士としての知識を活かして、慎重に考える必要があるのです。

また高齢になると食欲が落ち、食が細くなってしまう方もいます。彩りを良くしたり、季節のイベントに合わせたり、見ただけでも食欲がそそられるような献立を考えることも管理栄養士の重要な仕事です。

それから調理方法にもポイントがあります。高齢者の中には、顎の力が落ちている高齢者や、うまく飲み込めない高齢者もいれば、固いものも自分の歯で噛み砕ける高齢者もいます。そのため食材をミキサーで細かく砕いた食事や、柔らかくした食事、通常通りの食事など、調理方法も高齢者一人ひとりの状態に合わせなければならないのです。

近年では、高齢者が暮らしている自宅に食事を届ける配食サービスというものもあります。そこでも高齢者の身体状況や調理法を考えた献立と配慮が求められるので、管理栄養士の力は必要不可欠と言えます。